メータオ・クリニック支援の会では、医療従事者を現地へ派遣し、メータオ・クリニックでの病棟勤務を通じて専門分野を活かした技術支援や、院内感染予防対策を中心とした施設・設備の改善をおこなっています。更に、タイ・ターク県の70校ほどの移民学校にて、クリニックと共同で学校保健プロジェクトを実施するなど、難民・避難民の保健・医療に対する支援を行っています。
医師、看護師などの医療従事者をメータオ・クリニックへ派遣しています。派遣員の任期は1~2年間。クリニックスタッフとともに働く中で、課題を見つけ、それぞれの得意分野を生かしながら様々な活動に取り組んでいます。
第1代 2007年度 梶藍子看護師 (内科病棟)
第2代 2009年度 田辺文医師 (外科病棟)
第3代 2011年度 前川由佳看護師 (外科病棟)
第4代 2012年度 田畑彩生看護師 (外科病棟、学校保健・地域保健部門)
第5代 2013年度 鈴木みどり看護師 (内科病棟、学校保健・地域保健部門))
第6代 2015年度 神谷友子看護師 (小児科病棟)
第7代 2017年度 齊藤つばさ看護師 (外科病棟)
第8代 2020年度 有高奈々絵医師 (内科病棟)
第9代 202X年度 東山諒子
第10代 2024年度 沢辺美弥
メータオ・クリニックを受診する患者さんは、一般的に栄養状態が理想的とは言えず、感染症をうつされやすい状態の方が多くいます。かつ、クリニックには、マラリア、HIV/AIDS、インフルエンザ、結核等、感染性疾患を持つ患者さんも多くいます。
そのため、患者間、さらにはクリニックで働くスタッフへの院内感染のリスク軽減のため、メータオ・クリニックの院内感染予防チームと共に、院内ラウンドチェックと必要な設備の補充、院内感染ワークショップの開催、ポスター設置での患者さんも含めた院内感染予防の啓蒙活動などを行っています。
メータオ・クリニックがあるタイ・ターク県には、ビルマ/ミャンマー移民の子どものための学校が70校ほどあります。JAMは移民学校の生徒に対してビタミンA投与、害虫駆除剤の投与、眼科検診、健康教育を行ない、更に学校の先生に対して、衛生や栄養の啓蒙活動、児童の急変時の看護や処置等のトレーニングを行なってきました。
その他、学生を対象としたメンタルヘルス活動として、サッカーや音楽授業などの課外活動の充実にも取り組んできました。
会員様や支援者様から頂いた寄付は全て難民・避難のために必要な物資の調達に当て、メータオ・クリニックや移民学校に届けてます。
周囲の様々な変化を受けて、緊急的な困難を抱えることも多いメータオ・クリニック。その時々の支援要請を日本で発信、日本からの緊急支援をメータオ・クリニックへ届けています。
2010年度 | 総選挙後に起きた反政府軍と国軍との戦闘によってタイ側へと多数流入した避難民への緊急援助 | 1,151,421円 |
2011年度 | 避難児童のための緊急援助 | 46,000円 |
2012年度 | メータオ・クリニック資金難への緊急援助 | 528,790円 |
2013年度 |
メータオ・クリニックパートナー団体ビルマ子ども医療基金(Burma Children Medical Fund)への緊急支援 |
275,000円 |
移民学生寄宿舎火災に対しての緊急支援 |
100,000円 |
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2015年度 |
ミャンマーにおける洪水被害に対する緊急支援 |
120,075円 |
2019年度 | COVID-19の緊急必要物資の支援(N95マスク、エプロンなどの防護具やフェイスシールド作製用材料など) |
この度JAMは従来の活動に加え「タイ国のミャンマー人移民を対象とした新型コロナウイルス感染症に関する人道支援事業」をテーマに、外務省による日本NGO連携無償資金協力から資金を得て1年間のプロジェクト活動を展開します。
タイ国内における移民問題は、隣国ミャンマーとの共通の政治的・社会的課題の 1 つである。国連の報告によれば、タイ国内のミャンマー人移民労働者は2017年に183万人と推定されている。タイ国においてミャンマー人移民の健康を確保することは、タイ国民を含むタイ国全体の健康を確保することにもつながることから、タイ国はミャンマー人移民に対して積極的な保健政策を進めてきた。
しかしながら2021年の新型コロナウイルス感染症の大流行では、タイ国ターク県メソト郡だけでもミャンマー人移民を中心に多数の感染者が報告されてきた。これら移民への支援はミャンマー人移民のコミュニティ組織、国際機関や国際NGOなどが担っているが、加えてミャンマー国内の紛争により国境を越えざるを得ない移民・難民への支援も急務であることから保健医療支援のニーズは更に高まってきた。
以上のことから、ポストコロナにおいても新型コロナウイルス等の新興感染症対策や人道的支援に対応できる保健医療サービスの強化は、ミャンマー人移民への支援となるだけではなく、タイ国での保健医療崩壊を防ぐことの一助となることが期待できるため、事業を展開する。
ミャンマー人移民が受けられるタイ国内での保健医療サービスを強化することにより、新型コロナウイルス感染症蔓延による悪化した医療状況とミャンマー人移民の健康状態の改善を目指す。
事業地
タイ国ターク県4郡(メソト郡・ポップラ郡・メラマ郡・ターソムヤン郡)
対象者
タイ国におけるミャンマー人移民、医療スタッフ及び移民学校の先生、コミュニティボランティア
事業期間
2022年1月27日 〜 2023年1月26日 (1年間)
活動資金
総事業費 47,902,450円
メータオ・クリニック支援の会は2022年に、新型コロナウイルス感染症に関する日本NGO連携無償資金協力事業を行いました。現在再び、日本NGO連携無償資金協力事業 として、「タイ国ターク県におけるミャンマー人移民への保健医療サービス強化事業」を行っております。
タイ国には従来多数のミャンマー人移民が居住しており、タイ国労働省の労働者登録システムによると、ミャンマー人移民労働者数は、新型コロナウイルス感染症対策で行われていた入国制限の撤廃、ミャンマーの長期化する政治的、経済的混乱などを受け、2022年12月には198万人に達した。タイ国は移民労働者に対する保健医療政策を進めてはいるものの、貧困や医療保険制度、言語の問題などにより、ミャンマー人移民の公的保健医療へのアクセスは限定的である。そのため移民への保健医療支援はミャンマー人移民自身のコミュニティ、国際機関や国際NGOなどが担っているが、近年の移民の増加に伴い、人的資源、医薬品を含む医療物資、衛生用品等の不足に拍車がかかっている。
そのため本事業では、ターク県でミャンマー人移民が受けられる保健医療サービスを強化することによって、長期的には同地域のミャンマー人移民のユニバーサルヘルスカバレッジが改善することを目指す。
タイ国ターク県におけるミャンマー人移民への保健医療サービスが強化される。
事業地
タイ国ターク県4郡(メソト郡・ポプラ郡・メラマ郡・ターソムヤン郡)
対象者
タイ国におけるミャンマー人移民、医療スタッフ、移民学校生徒、コミュニティボランティアなど。
事業期間
2024年3月11日 〜 2025年3月10日 (1年間)
活動資金
総事業費 50,239,273 円
NPO法人 メータオ・クリニック支援の会
Japan Association for Mae Tao Clinic(JAM)